小惑星資源探査を取り巻く状況  ~海外の宇宙資源プロジェクト~

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小惑星の資源探査は、特にアメリカにおいて精力的に進められており、NASAやアメリカ政府もそれを後押ししている。ここでは、2015年10月現在の最新の状況を解説し、それと共にそこに存在する問題点などについても言及する。

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  • 1. 小惑星資源探査を取り巻く状況 ~海外の宇宙資源プロジェクト ~ 寺薗 淳也 (会津大学) 大貫 美鈴 (スペースフロンティアファウンデー ション) 中村 良介 (産業総合技術研究所) 齋藤 潤 (M.S.K.(株)/東海大工学部) http://moonstation.jp @terakinizers terazono@u-aizu.ac.jp Photo by NASA
  • 2. 今日の内容 • 本発表の背景 – 小惑星イニシアチブについて • 小惑星資源探査を巡る最新動向 – 小惑星イニシアチブ – 民間小惑星資源採掘 – アメリカ政府としての支援策 • アメリカの小惑星資源採掘計画に関する懸念・問題点 • まとめ
  • 3. 本発表の背景 近年、小惑星探査、とりわけアメリカが計画する小惑星 探査は驚くべき進展を見せている。 とりわけ、2013年に発表されたNASAの計画「小惑星イニ シアチブ」は、小惑星を捕獲・移動し探査するという大 胆な計画も相まって一躍世界の注目を集めた。 また、それと連動する形で、アメリカの民間企業による 小惑星資源採掘計画も着実に進んでいる。 筆者は、2013年以来このような(主に)アメリカの小惑星探 査・小惑星資源採掘計画の動向を調査し、本学会にて報 告している。3回目の今回は、前回の発表より大きく進展 があった箇所を重点的に報告し、合わせてこれらの計画 の問題点などについて述べる。
  • 4. 小惑星資源探査を巡る最新動向
  • 5. 小惑星イニシアチブ • 基本的には、小惑星を移動・探査するミッション(ARMま たはARRM)と、地球に危険を及ぼす小惑星(潜在危険小惑 星=PHA)を監視する小惑星グランドチャレンジからなる。 • ARMは、地球近傍小惑星のうち、大きさ数m~数十mの ものを地球・月遷移軌道に移動させ、有人探査を実施す るという計画。 – 有人探査は、現在開発中のOrion宇宙船で実施 – 無人探査機を先に打ち上げ、後からOrionが追いかける形 • 小惑星グランドチャレンジは、PHAの監視を、NASAだけ ではなく、大学、民間企業、アマチュア天文家などの幅 広い枠組みで行う計画。 – 監視だけではなく、小惑星発見などのための技術開発も含まれ る。
  • 6. ARMの大きな変更点 従来のARMでは、小惑星そのものを捕獲することにしてい たが、2014年度の検討でこの案は破棄され、現在では小惑 星表面の大きさ数mの岩をロボットアームで捕獲するとい う案に移っている。 Photo by NASA
  • 7. ARMの候補天体 • 2008 EV5 • 1999 RQ36 (Bennu) – OSIRIS-RExミッションのターゲット • 1999 JU3 – はやぶさ2ミッションのターゲット • 1998 SF36 (Itokawa) – はやぶさミッションのターゲット 現在の検討は2008 EV5を軸に進められている模様。候補天体の 理由としては、遠地点が比較的近い(1.04AU)こと、C型小惑星で あること、V∞が4.41km/sで探査機としてアプローチしやすいことな どがある。
  • 8. 打ち上げ時期など • 打ち上げ時期は2020年12月。 – 2023年にOrionによる有人探査を実施する。 – これは、本来であればOrionが実施する3回目の有人探査となるは ずであった。しかし、この9月にOrionの計画が変更され、有人 初飛行が2020年となるため、本格的な有人ミッションはもしこ のままなら「ぶっつけ本番」となる。 • コストは最大125億ドル – 日本円では1兆5000億円 • ミッションとしては、まず現地に行き、小惑星の観測(72 日)、サンプル取得(69日)、そして将来の軌道変換技術を テストする試験(150日)が行われる予定。その後、無人探 査機は小惑星の軌道を離れ、地球・月遷移軌道へと向か う。
  • 9. 小惑星グランドチャレンジ • 教育系のプロジェクトが先行している。 • SpaceGAMBITという団体と組み、教育ツールとして Asteroid Response Centerというウェブを立ち上げている。 – 現在のところは、教育などに使える(もしくは自習ツールとして も利用できる)小惑星についての動画が数本掲載されている。 – 小惑星のことを子供たちに知ってもらうことが目的であり、さ らには将来的には小惑星の観測・データ解析なども(オンライン で?)実施する可能性がある。 • Open Space Agency及び南アフリカの高校生と共同で、3D プリンタで製作できる300ドルほどの望遠鏡を開発。 現時点では学生や一般市民の普及啓発という側面が大きい。 ただ、これらのプロジェクトのシステム開発の委託先は、後 述するPlanetary Resourcesなど、小惑星資源採掘会社という ケースが多い。
  • 10. Asteroid Resource Center
  • 11. 民間の小惑星資源採掘 ~Planetary Resources社~ • 以前から計画を進めていた、小惑星観測用の民間宇宙望 遠鏡、Arkydのパイロット望遠鏡の打ち上げに成功。 – 2014年10月28日に打ち上げられたが、このときは補給船Cygnus がロケット爆発事故で失われ、打ち上げられなかった。 – そのため、代替品となるArkyd (A3R)が開発され、こちらは2015年 4月14日に無事打ち上げ成功。 – 7月16日には、ISSの日本の「きぼう」実験棟の暴露部より放出さ れ、90日間のミッションを実施している。
  • 12. Arkyd 3
  • 13. Planetary Resources社の 候補天体 • 2014 EK14 • 2014 SC324 • 1999 JU3 • 2002 TC70 • 2001 CG2 • 2001 QC34 • 2013 PA7 • 2008 HU4 Planetary Resources社は、すでに小惑星資源採掘の候補とし ていくつかの小惑星を検討しており、今後の探査などの結 果を踏まえ、この中からの絞り込みを行う予定である。 これらの選定については、以下の点 が考慮されている。 • 大きさ • 打ち上げタイミング(2016~2020年 を想定)を踏まえた上での地球から の到達可能性 • 小惑星のタイプ • 他のミッションによる観測 • 到達にかかる時間 今後、Arkyd望遠鏡での観測結果や他 のミッションの成果などを踏まえ、 ターゲットを絞り込む予定。
  • 14. Asterank • Planetary Resources社が立ち上げた、小惑星のデータ ベース。 – なお、小惑星のデータ自体はJPLのものを使っているようだ。 • 資源という観点からみた小惑星のランク付けを行ってい る。 – コストパフォーマンス(cost effective) – 価値がある (valuable) – 行きやすい (accessible) – 近いうちに地球近傍を通過する (upcoming passes) – 大きさ (largest, smallest) • 例えば、cost effectiveで1位になっているのは1999 JU3で、 その価値は950.2億ドルとのこと(11.7兆円)。
  • 15. Asterankのページ
  • 16. 民間の小惑星資源採掘 ~Deep Space Industries社~ • Mothershipという宇宙船の構想を打ち出している。 – 小惑星資源探査を行う探査機(おそらく超小型衛星)の通信中継用 の宇宙船。 • Mothership自体も大きさは36kgと小型。 • 2018年第1四半期打ち上げ予定。 Mothershipの構想図 (© Deep Space Industries)
  • 17. アメリカ政府としての支援 策 • 小惑星資源探査を後押しする意味も含め、ASTEORID法 (ASTEROID act)が提出された。 • 2015年になり新たにSPACE actが上程された。 – このSPACE actはASTEOID actを吸収した形になっている。 • SPACE actの中には宇宙資源探査・利用の章が設けられて いる。 – 国家の必要性に見合う商業宇宙資源探査・利用を促進すること – 上記の目的を達成するため、既存の法律において不利になる部 分がある場合には修正・削除すること – アメリカの民間企業が宇宙探査及び宇宙資源利用を実施するこ とを促進し、またそれらの資源の譲渡・売却を可能とする
  • 18. アメリカの小惑星資源採掘計 画に関する問題点・懸念 • ミッションスケジュールがタイトすぎないか? – 2017年にARRMの実機打ち上げ、2023年には有人小惑星探査を実 施するというのは、現行の各種計画との整合性を考えてもかな り無理がある。 – もっとも、つい最近になってOrion宇宙船の有人初飛行計画が延 期になったため、その意味ではスケジュールに余裕が出てきて いる。 • 民間企業の計画はこのままいくだろうか? – NASAや政府の動きとも絡むだけに、特に政権交代が起こる来年 以降の動きを注視する必要がある。 • アメリカ政府の動き – ASTEROID法は現行の各種国際条約(宇宙条約など)と整合性が ないようにみえる。 – アメリカ政府の動きが他国へ(日本も含め)どう波及するか見 守る(場合よっては先手を打つ)必要がある。
  • 19. 今後に向けて、 考えておくべきこと • 今後のアメリカの政局などによって、状況が大きく変化 する可能性も考慮する必要がある。 – 特に来年は大統領選挙の年であることを考える必要がある。 – また、経済状況によっては、ベンチャー企業に大量の資金が流 れるという構造が変化する可能性もある。 • 日本としての対応をしっかりと考えておくことが必要。 – 日本は小惑星への複数のサンプルリターンを実施し、その目標 天体はARMや資源探査の候補天体の上位になっている。 – 「日本は成果だけ持っていかれる」ということになってはなら ない。科学的成果を出した国として、相応の権利を主張すべき。 – 現行の日本の宇宙開発計画の中に、こういった資源探査やさら なる小惑星探査についての言及がないのは心配。 • そのためにも海外の状況は見続けていくことが必要。
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